【『1917』公開記念】第一次世界大戦関連映画

映画

2020年2月14日から『1917 命をかけた伝令』が公開された。既に観た人も、これから観ようかなやんでいる人もいると思う。

そこで今回は
「まだ観てないけど、『1917』ってどんな映画?」
「もう観たけど、第一次世界大戦の関連映画のオススメってある?」
という人に向けた記事を執筆する。

海外の動画サイトやランキングサイトを参考にしながらオススメ作品を書いた。
また、記事の最後には『1917』のネタバレ含みのトリビアもある。

『1917 命をかけた伝令』は、一兵士の自伝が基になっている

チラシ表

『1917 命をかけた伝令』(原題:1917)は、2020年1月から米国で上映されている映画。第一次世界大戦の西部戦線を舞台に、総攻撃を止めるための指令書を届ける兵士2人を描く。

チラシ裏

本作は監督の祖父である、Alfred H. Mendesの自伝である『The Autobiography of Alfred H. Mendes 1897-1991』を基にしている。

監督:Sam Mendes
上映時間:119分
IMDB評価:8.5(10点満点、2020年2月現在)

2020年アカデミー賞受賞:撮影賞、視覚効果賞、録音賞

同ノミネート:作品賞、監督賞、音響編集賞、作曲賞、美術賞、脚本賞、メイクアップ&ヘアスタイリング賞)

現実の時間と映画内の時間が同時に進むように撮影されており、まるで観客自身も兵士とともに危険な戦場を駆け回っているような臨場感を味わえる。

ぜひ映画館の大スクリーンで観ていただきたい作品。

※ただしリアルな死体や怪我の描写があるので、苦手な人は注意を要する

https://youtu.be/GyGosOlFlZE

第一次世界大戦関連作品(ドラマ&ドキュメンタリー)

ここでは、『1917』を観てWW1に興味を持った方に向けて、第一次世界大戦関連作品を紹介する。ドラマ映画とドキュメンタリーの観点から紹介している。

※IMDB評価は10点満点。2020年2月時点の得点。

ドラマ映画

watchmojo.comというyoutubeチャンネルの「Top 10 World War I Movies」という動画を基に紹介する。

https://youtu.be/uVW3OIu7F5U
今回参考にした動画

ジョニーは戦場へ行った(1971)

原題:Johnny Got His Gun
監督:Dalton Trumbo
上映時間:111分
IMDB評価:7.9

国のためにWW1に赴き戦闘に参加したアメリカ人青年。彼は戦争で眼、耳、手足、口を文字通り失ってしまう。他者とのコミュニケーション手段を絶たれ、絶望の中で己の人生を終える方法を模索し始める。


コミュニケーションできなくなることの辛さが、ひしひしと伝わってくる、怖い怖いトラウマ映画。

アフリカの女王(1951)

原題:The African Queen
監督:John Huston
上映時間:105分
IMDB評価:7.7

舞台はWW1中のアフリカ。リバーボートの呑んだくれ船長は、キリスト教の伝道師に敵船を攻撃するよう諭される。

戦場よさらば(1932)

原題:A Farewell to Arms
監督:Frank Borzage
上映時間:88分
IMDB評価:6.5

WW1中のイタリアが舞台。アメリカ人救急車運転手と、イギリス人看護師の恋物語。

銃殺(1964)

原題:King and Country
監督:Joseph Losey
上映時間:88分
IMDB評価:7.4

敵前逃亡の罪で訴追されている陸軍上等兵を弁護する大尉の物語。事件を調査する内、彼は裏に隠された深い闇に気づいてしまう。

ビック・パレード(1925)

原題:The Big Parade
監督:King Vidor
上映時間:151分
IMDB評価:7.9

若いアメリカ人兵士が、WW1の凄惨さを目撃する。

大いなる幻影(1937)

原題:La Grande Illusion
監督:Jean Renoir
上映時間:114分
IMDB評価:8.1

WW1中にドイツの捕虜収容所に収容された2人のフランス軍兵士。何度か脱獄を試みた結果、彼らは絶対脱出不可能の要塞に移送されてしまう。

誓い(1981)

原題:Gallipoli
監督:Peter Weir
上映時間:111分
IMDB評価:7.4

WW1中のトルコで実際に行われたガリポリ作戦の映画。2人のオーストラリア人が、戦争の残酷な現実を目の当たりにする。

突撃(1957)

原題:Paths of Glory
監督:Stanley Kubrick
上映時間:88分
IMDB評価:8.4

敵への攻撃を拒否した罪で裁かれてる兵士たち。彼らの部隊長はどのようにして、弁護するのだろうか。

『1917』の監督は、撮影の際に本作を何度も観返した。

西部戦線異状なし(1930)

原題:All Quiet on the Western Front
監督:Lewis Milestone
上映時間:133‐152分
IMDB評価:8.0

人としての心をズタズタにしてしまうWW1の恐ろしさ。若い兵士はその恐ろしさに深い幻滅を覚えるのだった。

地獄の天使(1930)

原題:Hell’s Angels
監督:Howard Hughes
上映時間:131分
IMDB評価:7.4

イギリス空軍を舞台にした、ある兄弟と女性の物語。

肉弾鬼中隊(1934)

原題:The Lost Patrol
監督:John Ford
上映時間:73分
IMDB評価:6.9

WW1の中東地域が舞台。砂漠で道に迷った12人のイギリス軍兵士が、謎のアラブ人兵士に襲われる。

ロング・エンゲージメント(2004)

原題:A Very Long Engagement
監督: Jean-Pierre Jeunet
上映時間:133分
IMDB評価:7.6


ソンムの戦いで行方不明になった婚約者を探し続ける女性の物語。

つばさ(1927)

原題:Wings
監督:William A. Wellman
上映時間:111-144分
IMDB評価:7.5

裕福な家庭出身の青年と、中流家庭出資の青年。2人は1人の女性を愛していた。彼らはWW1に戦闘機乗りとして出撃するのであった。


第一回アカデミー賞で最優秀作品賞を受賞した作品。1992年までフィルムが現存しないと考えられていた。

戦火の馬(2011)

原題:War Horse
監督:Steven Spielberg
上映時間:146分
IMDB評価:7.2

愛する馬が騎兵隊に売られてしまったアルバート青年。彼がWW1の戦線で見たものとは…


騎兵隊が機関銃で一掃されるシーンを通して、戦術の歴史転換を体験できる。

アラビアのロレンス(1962)

原題:Lawrence of Arabia
監督:David Lean
上映時間:180-222分
IMDB評価:8.3

WW1でトルコと戦わせるために、バラバラだったアラブ人たちをまとめることに成功した、イギリス人将校T.E.ローレンスの物語。

ドキュメンタリー

Rankerというサイトの「The Best WWI Television Documentaries 」という記事を参考に書く。

The First World War(2003)

放送局:Channel 4 (イギリス)
10回シリーズ(1話50分)
IMDB評価:8.7

オックスフォード大学のヒュー・ストラッチェン(Hew Strachan)教授の同名の著書をベースにしている。

World War One(1964-65)

放送局:CBS(アメリカ)
26回シリーズ(1話30分)
IMDB評価:8.4

WW1開戦50周年を記念して作られたドキュメンタリーシリーズ。当初火曜日に放映されていた。しかしABCのドラマ『コンバット!』に視聴率を奪われ、日曜日に移動した。

Long Shadow(2014)

放送局:BBC(イギリス)
3回シリーズ(1話23分)
IMDB評価:7.8

デビット・レイノルズ(David Reynold)の同名の著作を基にしたドキュメンタリーシリーズ。

The Great War(1964)

放送局:BBC TV(イギリス)
26回シリーズ(1話40分)
IMDB評価:8.8

イギリスの帝国戦争博物館(Imperial War Museum)、BBC(British Broadcasting Corporation)、カナダのCBC(Canadian Broadcasting Corporation)、オーストラリアのABC(Australian Broadcasting Corporation)等と世界的に共同制作されたドキュメンタリーシリーズ。

収録当時に存命だった元兵士らにインタビューをしており、「現場にいた人だ!」と驚嘆しっぱなしのドキュメンタリー。サラエボ事件まででも1回分使って説明するなど、丁寧にWW1を描き出す。

当時の日本軍が独軍と英軍を区別できず、誤って英軍を撃ってしまったエピソードがとても面白かった。

The Great War and the Shaping of the 20th Century(1996)

放送局:PBS(アメリカ)
8回シリーズ(1話55分)
IMDB評価:8.2

優秀なテレビ番組に贈られる、プライタイムエミーアワードとピーボディーアワードを受賞したシリーズ。

Jerry’s Choice

さて、ここまで読んできて
「おいおいジェリー。さっきから動画とかサイトとかの引用ばかりじゃないか。お前のオススメはないのか」
とお怒りの方もいるかと思います。

ここでは、上記では言及されていないオススメWW1関連作品を紹介しようとおもいます。

Apocalypse: World War I(2014)


上映時間:260分
IMDB評価:8.9

記録映像を全編カラー化したドキュメンタリー。今まであまり注目されなかった、イタリアやオーストリアの戦場も取り上げています。

この『apocalypse』シリーズは、他にもヒトラーやスターリン、第二次世界大戦等の多くのテーマを扱っています。そしてそれぞれが非常に高い評価を得ています。

この記事を読んでくださった、WW1好きの方にぜひ観ていただきたいドキュメンタリーシリーズです。

彼らは生きていた(2018)

原題:They Shall Not Grow Old
監督:Peter Jackson
上映時間:99-129分
IMDB評価:8.3


当時の色を復元しただけでなく、読唇術を用いて当時の兵士たちの声も復元することに成功した力作。前線の兵士の勤務シフトに関する話がとても興味深かった。

youtubeでレンタル可能(2020年2月15日現在)

https://www.youtube.com/watch?v=NDafSNVU9LM

映像の世紀(1995-96)

Amazon.jp

放送局:NHK(日本)
11回シリーズ(1話50分)

終戦後10年を記念し、NHKとアメリカABCが共同制作した特別番組。過去に何度も再放送されている人気ドキュメンタリーシリーズ。


特に第2回「大量殺戮の完成~塹壕の兵士たちは凄まじい兵器の出現を見た~」でWW1が扱われている。

ガニー軍曹のミリタリー大百科(2009)

原題:Lock n’ Load with R. Lee Ermey
放送局:ヒストリーチャンネル(アメリカ)
13回シリーズ(1話44分)
IMDB評価:8.5


第一次大戦に限らず、南北戦争から湾岸戦争辺りまでを兵器に注目して紹介するドキュメンタリーシリーズ。

ホストの R・リー・アーメイ(R. Lee Ermey )は、フルメタル・ジャケットのハートマン軍曹役で一世を風靡した。

https://youtu.be/-ZYlXEUo-Lo

担へ銃(1918)

原題:Shoulder Arms
監督:Charles Chaplin
上映時間:45分
IMDB評価:7.3


軍隊の新人教練を受けているチャップリン氏。彼の夢は前線で大活躍するヒーローになることだった。

最後にチャップリンのコメディ映画を紹介する。チャップリンがドイツ軍の将校になりすますくだりは、後の『独裁者』でも用いられたアイディア。

光あれ(1946)

原題:Let There Be Light
監督:John Huston
上映時間:58分
IMDB評価:7.5

WW2において精神的トラウマを受けてしまった患者達に施された、精神治療の過程を追ったドキュメンタリー映画。

この映画はWW1ではなく、WW2で戦った兵士についての映画だ。しかし戦争映画を紹介する上で、この映画をしないわけにはいかない。『1917』でも少しだけ言及されたが、戦争における精神的苦痛の恐怖は常に覚えておく必要があると考えるからだ。

本作はWW2直後に完成されたが、内容がショッキングであったため、米軍が公開を1980年代まで延期させた経緯がある。

2020/02/16現在、Netflixにおいて視聴可能となっている。

https://youtu.be/PSjK9gXKYhI

【ネタバレ注意!!】『1917』関連トリビア

最後に、『1917』のトリビアを2つ紹介する。

【トリビア1】

本作の大きな特徴として「映画全体を1カットに見せる撮影」がなされている。つまり、「カメラを一度も止めずに撮影しているように見せる」手法である。

しかし実際には、いくつものカットに分けて撮られている。

IMDBのトリビア欄によると、カットはいくつもの「目に見えない」編集点に分かれており、その長さも次の通りだったらしい。

According to Mendes, the shortest unbroken shot was 39 seconds long, while the longest single continuous shot was 8 1/2 minutes long.

https://www.imdb.com/title/tt8579674/trivia?ref_=tt_trv_trv

「メンデスによると、最短のショットは39秒だった。そして最長のショットでも8分30秒の長さであった」(ジェリー訳)

ちなみに、同じように一つの作品全体をワンカットに見せる演出を採用している映画として、ヒッチコック監督の『ロープ』(原題:Rope,1948年)が挙げられる。

この映画は友人を絞殺した男二人が絞殺現場でパーティーを開き、パーティーの参加者が死体に気づくか賭けるという内容。

https://youtu.be/8xkQoH8QbVs

【トリビア2】

この映画が始まる1917年4月6日とは、アメリカが参戦を宣言した日だった。アメリカが加わったことで、戦況は一気にイギリス側有利になった歴史的な日であることを意味する。もちろん、アメリカが参戦したことも、そのことが戦況に大きな意味をもつことも戦場の兵士たちは知るよしも無かった。

 

なお、他にもたくさんの映画をこちらの記事で紹介している。ご興味有りましたらご一読いただけると幸いです。

https://gogakuno.net/assemblying-movies/

出典

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コメント

  1. […] 以前「【『1917』公開記念】第一次世界大戦関連作品25本」という記事を書いた。実はこの戦争当時、世界的に「スペイン風邪」が大流行していた。折しも新型肺炎のニュースが連日報道され、伝染病に対する社会的関心が非常に高まっている。 […]

  2. […] […]

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