先日ジャッキー・チェンの映画を借りようとTSUTAYAに行ったら、「ロック出演!」「WWE製作!」「実話!」という胸躍るキャッチコピーを発見。
居ても立っても居られなくなり、新作だけど思い切って借りた作品が
『ファイティング・ファミリー』(2019)
この映画がメチャクチャ良かったので、次のツイートをしました。
『ファイティング・ファミリー』(原題: Fighting with My Family)
🍎プロレスに興味が無くても
・今現在、挫けそうな人
・夢を一度諦めてしまった人
・やり遂げたい目標がある人すべての人に観てもらいたい、最高の映画だったよ🔥https://t.co/rVrZSrlilU
— ジェリーわたなべ📚語学と映画 (@tanupompom) April 22, 2020
というわけで今回は『ファイティング・ファミリー』の紹介です。
本記事を読んで映画を鑑賞すれば
- コロナに負けない元気が出ます!
- 夢の実現に向けてがんばれます!
記事の最後は『ファイティング・ファミリー』と似たテーマの映画の紹介です。こちらも併せてお読みいただけると、幸いです。
【ネタバレ無し】『ファイティング・ファミリー』の概要
基本情報
- 原題:Fighting with My Family
- 製作国:アメリカ・イギリス
- 日本公開日:2019年11月29日
- 監督:スティーヴン・マーチャント(Stephen Merchant)
- 評価:rotten tomatoes Tomatometer 93% Audience 82%
IMDb 7.1(共に2020年4月24日時点) - 鑑賞方法:①You Tubeでのレンタルもしくは購入②ブルーレイの購入③Google Playでのレンタルもしくは購入
※原題の意味について
原題の”Fighting with My Family”にはダブルミーニングがあると思います。
①Fighting / with My Familyで、「家族と力を合わせて闘う」
②Fighting with / My Familyで、「家族と敵対して闘う」
という2つの意味が考えられます。
実際に映画を観てもらうと、両方の意味があると理解してもらえるはず。
概要
『ファイティング・ファミリー』は、実話を基にした映画。主人公のペイジ(Paige)は実在するプロレスラーです。
ペイジ(本名:Saraya-Jade Bevis)は1992年にイギリスで生まれました。彼女の一家はWAW(World Association of Wrestling)というプロレス団体を主宰しています。13歳の時にたまたまリングに上って以来、彼女にとってプロレスが人生のすべてです。
ペイジは2011年にWWE(World Wrestling Entertainment)と契約。2018年に首の怪我が原因で25歳で現役を引退するまで活躍しました。
本作ではペイジがWWEのトライアウト(入社試験)を受け、華々しくWWEデビューを果たすまでを描いています。
ところで、『ファイティング・ファミリー』には原作があります。それが『The Wrestlers: Fighting With My Family 』(2012)。ペイジの実家の家業であるWAWというプロレス団体を追ったBBCのドキュメンタリーです。伝説的レスラーのザ・ロック(後述)が同作を観たことが、『ファイティング・ファミリー』が製作されるきっかけとなりました。
映画評論家の町山智浩氏も、日本公開前にラジオで本作を紹介していたそうです。
【ネタバレ無し】『ファイティング・ファミリー』の一言要約
夢に向かって孤軍奮闘する主人公に、勇気をもらえる映画!!
オススメ度
独りで | ◎ | 見知らぬ土地で独り頑張るペイジの姿に、励まされます |
恋人と | ◎ | 鑑賞後、家族のあり方について話し合えそう |
【ネタバレ無し】『ファイティング・ファミリー』キャスト情報
- ペイジ役:Florence Pugh(フローレンス・ピュー)
1996年生まれ。『ミッドサマー』(2019)のダニー役で観客の度肝を抜いた女優。『ミッドサマー』は家族のあり方についての映画であり、『ファイティング・ファミリー』もまた家族に関する映画です。
- ザ・ロック役: Dwayne Johnson(ドゥエイン・ジョンソン)
1972年生まれ。リングネームがザ・ロック(The Rock)。WWEの伝説的スーパースターであり、本名のドゥエイン・ジョンソンで数々の映画に主演するハリウッド俳優でもあります。米経済誌「フォーブス」によると、「2018年に最も稼いだ俳優」第一位だそうです。約8940万ドル(約95億3000万円)を一年で稼いだとか。
ドゥエイン・ジョンソンの次回作には、『ジャングル・クルーズ』(2021)が控えています。
鑑賞方法の復習
ここから先は、「ネタバレ全開」で書きます。いずれかの方法で、映画をご覧になることをオススメします。
鑑賞方法:①You Tubeでのレンタルもしくは購入②ブルーレイの購入③Google Playでのレンタルもしくは購入
【ネタバレ有り】『ファイティング・ファミリー』の感想と考察
『ファイティング・ファミリー』の一言要約の部分で、「夢に向かって孤軍奮闘する主人公に、勇気をもらえる映画!!」と書きました。
ここでは「孤軍奮闘する」という部分に絞って、本作の魅力をさらに詳しくみていきます。
具体的には、劇中で描かれている「3つの孤独」に焦点を絞ります。
「仲間からの孤立」「両親からの孤立」「兄からの孤立」の順でみていきましょう。
「仲間からの孤立」
WWEのトライアウト(入社試験)に合格したペイジは研修生、単身アメリカに渡ります。狭き門をくぐり抜けた女子研修生の中で、プロレス経験者はペイジだけでした。
他の女子研修生は元モデルや元チアリーダーでスタイル抜群。男子研修生からもモテモテだし、観客受けもペイジの比ではありません。
さらに言葉の違いもペイジの孤立を深めます。ペイジは唯一のイギリス出身。しかも労働者階級出身なので訛りが強いイギリス英語を話します。ペイジが最初に研修所を訪れたとき、他の研修生は「イギリス英語、格好良い!」と言ってくれますが、ペイジは微妙な表情。話す言葉が違うだけでも、心の溝ができることをよく表したシーンでした。
研修生仲間とも打ち解けられず、いつクビになるかわからない弱肉強食の研修にさらされて、ペイジは自分の殻にこもってしまいます。ついには他の女子研修生が自分の悪口を言っていると、被害妄想を持つようになりました。実際は研修生仲間が最近産んだ、子どもの話をしているだけだったのに…
これが第一の孤立「仲間からの孤立」です。
「両親からの孤立」
クリスマス休暇で一時的に帰国したペイジは、両親に「WWEの研修生を辞めたい」と伝えます。しかし両親は「寂しかったらネコでも買え」「家族のためにだから続けろ」「甘えるな」と、冷たい言葉。しかもペイジに了解も得ずに、「将来のWWEスーパースター」として彼女のグッズを拡充したり、スペシャルマッチを組んでいたのでした。
「家族のためにがんばらなければならない」「WWEの研修生は一世一代の大チャンス」なのは、ペイジも頭では嫌というほど理解しているはず。しかしペイジは「孤独で寂しい」「家族と一緒にいたい」という、心の声を両親に受け止めてもらいたかったのです。
「WWEのスーパースターになるのは、一体誰の夢なの?お父さんやお母さんの夢を、私に押し付けてるだけじゃないの??」
「兄からの孤立」
ペイジには2人の兄がいます。2人とも、彼女よりも早くからプロレスに人生を捧げていました。上の兄は「ロイ」。WWEのトライアウト(入社試験)に落ちたことがきっかけで、暴力事件を起こし収監されています。
2番目の兄は「ザック」。ペイジとはずっと一緒にトレーニングをしていて、2人は深い絆で結ばれています。近所の子どもたちにプロレスを丁寧に教えるという、優しい人物でもあります。
アメリカでの研修に耐えられなくなったペイジは、深夜にザックに電話します。しかしザックは彼女を無視するのでした。
一緒にトライアウトを受け、自分が不合格になったことをザックは受け止められないでいたのです。
「妹が自分よりも優れていること」
「妹にはあるスターの魅力が、自分には無いこと」
これらを認められず、ザックはザックで内心闘っていたのでした。
※少し話をそらします。僕がこの映画の中で最も印象に残っているのが、ザックのシーンです。
自信を失ったザックは今日も缶ビール片手に、自宅のソファーで呆然としている。そこにペイジから電話がかかってきても、反応をする素振りも見せない。
そこに今度は赤ちゃんの泣き声が。
ザックはあまりに茫然自失然として、産まれたばかりの我が子の世話も忘れる有様だったのです。
最近僕の兄が第一子を授かり、忙しくお世話をしている様子を見ていたので、ザックがどれほどショックを受けていたのかがよく分かりました。
このシーンは、思い出すだけで胸が痛みます。
以上の「仲間からの孤立」「両親からの孤立」「兄からの孤立」という、3つの孤立を通して主人公が孤軍奮闘する様が丁寧に描かれています。これにより『ファイティング・ファミリー』が非常に魅力的な映画になっていると僕は考えます。
Jerry’s final thought:『ファイティング・ファミリー』編
WWEデビューを目指す主人公の成長物語である本作に、なぜ僕は惹かれたのか。それは僕自身が似たような境遇にあるからだと思います。
コロナ禍が世界を苦しめ、社会のルールが大きく変わろうとしている中で、僕は修論執筆や海外就職という大きな試練と立ち向かわなければなりません。
修論執筆も海外就職も、倍率だけでみたらWWEデビューの比ではありません。とはいえ自分の人生がかかった大事業に取り組もうとする状況自体は全く同じです。
なので、プロレスに興味がなくても
・今現在、挫けそうな人
・夢を一度諦めてしまった人
・やり遂げたい目標がある人
にぜひ観ていただきたい最高の映画です!!
★★★★
『ファイティング・ファミリー』関連作品
最後に、「孤軍奮闘する主人公」というテーマで関連映画を紹介します。Amazonプライムビデオへのリンクを貼っておきました。ご活用ください。
なお【人混みを避けろ】パンデミック映画おすすめ作品では、感染症関連の映画をたくさん紹介しています。
親友に最高の結婚式を送ってもらおうと孤軍奮闘
慣れないアメリカの学校で、生き残りを賭けて孤軍奮闘
麻薬組織の親玉を逮捕するために孤軍奮闘
愛娘を奪還するために孤軍奮闘
南北戦争時代。とらわれの恋人を助けるために孤軍奮闘
【初コラボ記事】屋上ファンの369daysさんと、サイレント映画『キートン将軍』を観た!!【90年代話も】 で、詳しく紹介しています。
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— ジェリーわたなべ📚語学と映画 (@tanupompom) February 13, 2020
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