「サイレント映画を観てみたい」
「日本語字幕無しで、英語の映画を楽しみたい」
「バスター・キートンのオススメの映画を知りたい」
そういった人のために、今回は僕の大好きなサイレント映画期の大コメディアン。バスター・キートンのオススメ短編映画を紹介します。
(バスター・キートン自身については、先日「人生の受け身」をバスター・キートンに学ぶ【生涯も解説】という記事を書きました。ご興味ありましたら、こちらもチェックしていただけると幸いです。)
1920年から1923年の間に制作された全19本の映画を観た上で、初めての人でも楽しめる極上の3作品をピックアップしました。
楽な姿勢で、リラックスしてお楽しみください。
バスター・キートンの短編作品を、3つの基準でおすすめ
1920年から1923年までの短編から選びました
1920年から1923年までに、バスターのプロダクションで制作された短編映画19本に絞っています。
この時期のバスターは、恩人のロスコー・アーバックルから独立して大変張り切っており、体力及び創造力がともに充実していました。
また、後に制作する長編映画よりも、荒唐無稽なギャグが多く観ていて単純に楽しいです。
さらに短編なので、1作品20分位の長さです。今回のオススメ3作品をすべて観ても、1時間ちょっと。サイレント映画が初めての人でも、気軽に楽しめます。
3つの基準
全19本の映画の中から、次の3つの基準で選びました。
- 英語字幕
- 背景知識
- ギャグ
簡単に説明します。
英語字幕
今回紹介する映画を、ぜひ英語学習中の人に観てもらいたくて、設定しました。
字幕の量だけではなく、字幕に書かれている英文の難易度も含みます。
背景知識
観客の笑いのツボは、時代と共に移り変わるもの。
21世紀に生きる我々が、背景知識が無くても楽しめるかどうかを判定します。
ギャグ
バスター・キートンのギャグの魅力は、なんといっても身体を張ったスタント。思わず何度もリピートしたくなるギャグか、という側面から判定します。
バスター・キートンおすすめ作品紹介
おまたせしました。いよいよオススメ作品の発表です。
おすすめ順3位から紹介します。IMDb評価は、2020年3月3日時点のものです。
3位『キートンの電気館』

原題:The Electric House
公開年:1922年
IMDb評価:7.2
- 英語字幕:★
- 背景知識:★★★
- ギャグ:★★
※3点満点。星が多いほど楽しみやすい
あらすじ:電気工学の学位を持っていると勘違いされたバスター氏。大金持ちの家を電化する工事を請け負ってしまいます。あんちょこのおかげで工事はなんとか成功。そこに、仕事を奪われた男がやってきて復讐を企みます。
Diploma(学位)という単語がわからないと、何が起きているのかわかりにくいかも。しかし家を電化するというテーマは現代にも通じるし、ギャグも分かりやすいものが多いです。
エスカレーターのギャグの時に、バスターは足を折ってしまったというエピソードもあります。
2位『キートンの警官騒動』

原題:Cops
公開年:1922年
IMDb評価:7.6
- 英語字幕:★★
- 背景知識:★
- ギャグ:★★★
※3点満点。星が多いほど楽しみやすい
あらすじ:「大富豪とじゃないと、結婚しない!」と、のたまうお嬢さんに恋をしたバスター氏。道で財布を拾ったので、さあどうしよう。とりあえず家具を一式買い取り、物質的豊かさをアピールする作戦に出ました。家具一式を馬車に乗せたまではよかったものの、警察のパレードに遭遇してしまいます。
ラストの大追いかけっこは、日常生活のすべてを忘れて映像に没頭できます。ただし前半部分で馬に電話をするシーンや、馬に精力増強の手術をするシーンは背景知識が無いとわかりにくいかも知れません。(背景知識については『警官騒動』は『元気が出るテレビ』だ!?で解説しています)
ラストのブラックなオチも見ものなので、最後まで目が離せない一品です。
1位『文化生活一週間』

原題:One Week
公開年:1920年
IMDb評価:8.2
- 英語字幕:★★
- 背景知識:★★★
- ギャグ:★★★
※3点満点。星が多いほど楽しみやすい
あらすじ:素敵な女性と結婚式を挙げハッピーなバスター氏。結婚のお祝いに、組み立て式住宅をプレゼントされます。家を建てることが、最初の夫婦での共同作業。そこへかつての恋敵がやってきて、部品の番号を変えてしまうことから、物語は大波乱を迎えるのでした。
バスターが自身のプロダクションで公開した、最初の作品。多くのバスターファンの方もオススメしていますが、僕もその例に漏れません。なにせ僕自身、完成した家を一目見てからバスター映画が大好きになってしまった過去があるからです。
あらすじはとってもシンプルだし、特に背景知識も必要としません。それでいて、ギャグはどれも目を疑うようなものばかり。この記事を読んでくださった方は、せめてこの映画だけでも観てください。
なお映画を観た後で、『キートンの文化生活一週間』で文化的な一週間を!を読むと、さらに映画への理解が深まります。
Jerry’s Final Thoughts
今回は1920年代初頭の短編作品に絞り、バスター・キートンのおすすめ映画を紹介しました。サイレント映画は、観る者の想像力を刺激してくれるもの。そしてバスター・キートンの映画は、思いも寄らないスタントを観せてくれるもの。
バスター・キートンの映画はとても人気があり、日本語字幕のついた商品もたくさんあります(例えば、『バスター・キートン短編集 新訳版 』)。気になる作品がありましたら、ぜひご覧になってみてください。
出典
- IMDb( Internet Movie Database)、(画像もこちら)
- Wikipedia
- Keaton, Buster (1960) 『My Wonderful World Of Slapstick』Kindle edition, Golden Springs Publishing.
- バスター・キートン(1997)『バスター・キートン自伝ーわが素晴らしきドタバタ喜劇の世界ー』(藤原敏史訳)、筑摩書房(3の邦訳)
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コメント
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